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佐藤 和義; 江里 幸一郎; 谷口 正樹; 鈴木 哲; 秋場 真人
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.556 - 560, 2002/00
ITERダイバータへ適用するため、同軸冷却管を有するCFCモノブロックダイバータ試験体を開発した。同試験体は、内管に冷却水を供給し、端部で折返し、らせん状フィンにより外管内を旋回させて冷却を行う二重管構造を有しており、コスト削減及び空間の制約が期待できる。同軸冷却管の熱流動特性を調べるため、限界熱流束を測定し、原研が開発した相関式で評価できることを明らかにした。また、実規模長試験体の加熱試験を行った結果、ITER設計条件の20MW/m,10s 1000サイクルに耐えることを実証した。
林 伸彦; 小関 隆久; 濱松 清隆; 滝塚 知典
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.519 - 522, 2002/00
超電導化改修JT-60における、電子サイクロトロン波電流駆動(ECCD)による新古典テアリングモード安定化のシミュレーションを、1.5次元時間発展コードTOPICSと修正Rutherford式を用いて行った。ECによる磁気島中心の局所電流によってモードは安定化される。しかし、EC電流が磁気島中心から外れると有理面が動き、ECの安定化効率が下がる。EC電流の安定化に必要な位置幅は、EC電流分布をよりピークさせるとともに、ECのパワーが低い時は広くなり、高パワーの時は狭くなる。ECの入射時間が長ければ、この必要幅は広げられる。安定化に必要な最小のECパワーは、EC電流分布をよりピークさせ、磁気島成長の初期に、長く入射することによって、低くすることができる。
諫山 明彦; 井出 俊之; 池田 佳隆; 鈴木 隆博; 梶原 健; JT-60チーム
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.324 - 327, 2002/00
鋸歯状振動はプラズマの中心部で発生するMHD不安定性の一種であり、鋸歯状振動を利用すればプラズマ中心部の熱や粒子を制御できる可能性がある。しかし、同時に、鋸歯状振動はプラズマ性能を制限したり新古典テアリング不安定性の種磁気島を生成したりすることが知られているので、鋸歯状振動を制御することが重要となる。鋸歯状振動は高速イオンにより安定化されることが知られているが、このときに電子サイクロトロン(EC)波を入射して局所的な加熱や電流駆動を行ったときの効果を調べた前例はほとんどないので、今回中性粒子ビームにより安定化された鋸歯状振動をEC波により制御できるか調べた。その結果、プラズマ中心部にEC波を入射することにより鋸歯状振動の周期を短縮できることがわかった。特に、プラズマ電流と同方向に電流駆動を行うと、ジュール加熱時の鋸歯状振動から予想される周期の10分の1位程度にまで短縮することがわかった。また、プラズマ電流と逆方向に電流駆動を行うと、振幅が小さい状態でジュール加熱時の鋸歯状振動周期程度にまで短縮できることがわかった。
木津 要; 笹島 唯之; 正木 圭; 平塚 一; 市毛 尚志; 本田 正男; 宮 直之
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.446 - 449, 2002/00
JT-60Uでは、ペレットによる燃料粒子補給効率を向上させるために、高磁場側上側入射(HFS(top))用ペレット輸送管を開発した。輸送管は全長15m,内径5mm,最小曲率半径600mmで、JT-60U真空容器の上部ポートに接続した。(1)輸送管内でのペレットの破壊が220m/sより速くなると顕著になること,(2)220m/s以下で輸送管を通過したペレットのサイズは射出時の80%程度に減少することが観測された。上記の結果に対して簡単なモデルを適用し、ペレットが壁へ垂直に衝突しても破壊しない最大速度を見積もったところ、15m/sであることがわかった。これより、100m/sより遅いペレットであれば、200mmの曲率半径の輸送管を通過できると予想された。そこで、2000年12月に、より粒子補給効率が高いと考えられる新しい高磁場側水平入射(HFS(mid))用ペレット輸送管を開発し、JT-60Uに設置した。
松本 太郎; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 内藤 裕志*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.523 - 526, 2002/00
近年、トカマク装置の大型化及び加熱手法の進展によりプラズマが超高温になるため、MHDモードに対してプラズマ抵抗の効果に加えて、電子の慣性及び磁場方向の電子の密度摂動などの効果が重要になりつつある。このような背景から、本研究ではトカマクプラズマにおける速いディスラプション現象の解明を目的として、電子慣性を包含するジャイロ運動論的粒子モデルを用いて、m=1無衝突キンクモード及びm=2無衝突ダブルテアリングモードの非線形シミュレーションを行っている。イオンの有限ジャイロ半径効果(s)と電子スキン長(e)とが同程度であるseのパラメーター領域において、無衝突m=1モードのシミュレーションを行った結果、非線形的に成長率が増大する結果が得られた。これは、線形成長過程では電子の慣性が支配的であるが、磁場方向の電子の密度摂動の効果によりX型の電流シート構造を形成し、モードの成長を加速させることが原因と考えられる。この現象は、従来seの領域ににおいて議論されていたが、今回seの領域においても生じることが明らかとなった。
武井 奈帆子; 小関 隆久; Smolyakov, A. I.*; 諫山 明彦; 林 伸彦; 飯尾 俊二*; 嶋田 隆一*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.386 - 389, 2002/00
高プラズマにおいてプラズマ性能を制限する要因として重要視されている新古典テアリングモード(NTM)の発生機構を解明するうえで重要であるプラズマ回転と圧力勾配を考慮したイオン分極電流モデルの検証と評価をJT-60Uの実験データを用いて行った。解析を行った放電において、NTMなしの放電ではトロイダル回転の効果によりイオン分極電流項がモードの安定化に効いており、NTMありの放電においては逆に不安定化されていることがわかった。この結果より、回転を考慮したイオン分極モデルは実験結果を矛盾しないことがわかった。
関 正美; 森山 伸一; 梶原 健; 池田 佳隆; 坂本 慶司; 今井 剛; 藤井 常幸
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.337 - 341, 2002/00
JT-60U用ECRFシステムは、プラズマ加熱や電流駆動を目的として、大電力の高周波(110GHz)を入射する装置である。大電力の高周波は、主電源の安定性が1%程度でも、エネルギー回収型のジャイロトロンにより効率良く発振できていた。しかし、1MW以上の大電力の発振のために、加速電圧を高くすると過渡的に高くなったボディー電圧により加速電源での過電流が発生し運転の障害となっていた。そこで、加速電圧の立ち上がり速度を10から50msへ最適化することにより、安定な発振を得た。1MWの発振を2秒程度に伸ばす場合には、寄生発振によるビーム電流の急激な増加が問題であった。寄生発振対策として、RF吸収体をジャイロトロン内部に取付ける改良を行い、1.1MW-3.2秒の発振に成功した。アンテナへと導く伝送系は、約60mの円形導波管からなり伝送効率は約60%と低かったが、導波管の敷設を精度良く再度実施することで、80%の高い伝送効率を達成できた。これらの成果により、2.8MWの大電力入射による負磁気シアプラズマの加熱を実施し、約13keVの高電子温度の発生に成功した。